海外の手術の流れを知る~子ども編~

手術の流れ

海外の手術の流れを知って、少しでも不安を減らしたい。
多くの当事者や家族の思いではないでしょうか。
ここでは、手術が必要な場合、どのような流れになるのかを説明しています。
何も知らないよりは、少しでも流れがわかると、準備できることもあるかと思います。
***ここでご紹介しているものは、緊急性の低い、実際の手術のケースをもとにしたモデルケースになります。
実際に手術が必要な場合、個々のケースによって、ばらつきがある場合もあります。

詳しくは、都度、専門家の指示に従うようにしてください。事故や、突発性の症状など、緊急性のある場合は、救急(911番)にご連絡ください。

もくじ
【はじめに】(緊急性のない)手術までの流れ
かかりつけ医の診察
専門医の診察
手術まで
保険
手術の数日前~当日
手術後の流れ
【まとめ】流れを理解して、不安を減らしましょう

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かかりつけ医の診察

海外への引っ越しの際、病院にアクセスがしやすい環境を選ぶというのは、住む場所を決める大きな要素のひとつになると思います。小さなお子さまがいて、家族で引っ越しをするとなると、なおさら、病院のことは気になるでしょう。
手術が必要となると、さらに不安になるかもしれません。
一般的に、アメリカの場合は、最初にかかりつけの医師に診察してもらうことになります。

子どもの場合は、かかりつけの小児科で診察をしてもらいます。具合が悪くなってみてもらう、定期健診の際に、さらに検査の必要な症状が見つかる、というのが最初のステップになります。
小児科で、例えば、呼吸器系の働きが疑わしいと言われたとします。その場合は、呼吸器系のの専門医(specialist)に診てもらうよう、かかりつけの小児科医に言われます。
例えば、喘息もちと思われるお子さんがいたとします。具合が悪くなって、いつもの小児科にいき、酸素濃度を測定して、処置をしてもらい、家に帰る。
また、数週間後に同じような症状で、診察をしてもらう。様子が違う、改善が見込まれない、等々、かかりつけの小児科医が必要と判断した場合に、専門医に診察をしてもらってくださいと言われる、といった流れです。
紹介状を渡されたり、どこそこの、呼吸器系のお医者さんを探して予約してください、といわれたりするので、言われた通り、専門医の予約をします。

専門医の診察

専門医に診てもらう場合は、大き目の病院で、診察まで時間がかかることも多いと思います。
例えば、Children’s Healthcare of Atlanta (通称CHOA)の呼吸器専門医のところで、診てもらってください、予約は1か月後です、といった具合です。
CHOAは、大きな組織で、子どもの専門病院なので、お子さまの病気、手術に関しては、なにかとお世話になることが多いと思います。
ですが、状況によって、紹介される先が変わってきます。
お住まいの地域で、専門医に診てもらう機会が何度かあれば、だいたい照会先は似たようなところになるので、自分たちの場合は、○○の関連機関で診てもらう、というのがだんだんわかってくるかと思います。(例:CHOA, Emory, North Side、Wellstar等々)
手術が必要な場合は、そうした専門医の診断をうけて、いつどこで、手術するか、決まる流れになります。

手術まで

専門医が診察をし、手術が必要と判断されると、症状や手術の説明があり、理解をした上で、手術日を設定して、手術、という流れになります。
診察の後、手術日の具体的な予約等の事務的な手続きは、手術を予定している機関から連絡があります。
専門的な手術は、手術日が限定されている場合もあります。例えば、金曜日は手術をしない(よって、月曜日~木曜日しか手術をおこなわない)といった具合です。
これは、いろんな事情によります。
例えば、その専門の手術をしているお医者さんが少ないという理由だったり、
何かが起こった時に対処しやすいように、午前中しか手術をしない、という理由だったり。
これらの理由から、基本的には、手術日が設定されたら、変更の融通がきかないものとして、仕事の休みをとったりする必要があると考えた方がいいと思います。
また、日にちの変更ができたとしても、次に予約可能な日が、2か月後、なんていうこともあり得ますので、設定された日に従うのが、結果的にいいという場合も多いかと思います。
現在は、コロナの影響もあり、さらに制限がかけられています。

例えば、お子さまの手術の同伴はひとりのみ、といった具合です。
手術の内容にもよりますが、数時間かかることもあるので、子どもが小さく、兄弟がいる場合は、親御さんのどちらかが病院、どちらかが、家で兄弟をみる、というように、家族で協力をして、手術前後は対応することになります。
どうしても、都合がつけられない等、事情がある場合は、都度説明をするといいでしょう。

保険

保険のことは、手術をするとなると、避けて通れない項目です。
保険がないと手術をしてもらえない、というくらいのイメージでいるくらいがいいかもしれません。
例えば、事前に数千ドルをクレジットカードで支払い、保険の支払いが確定してから、差額を調整する、といったケースもあります。(過払いの場合は、差額の返金。足りない場合は、差額を請求される。)ですが、手術の内容によっては、ケタが違う場合もあります。どちらにしても、避けては通れません。はっきりさせないと、手術をしてくれない、という場合もあります。
手術日が設定されると、事前確認や説明があります。
保険の確認もそのひとつです。
保険に入っているか、アクティブな状態か、その手術は本当に必要なのか、等々。
日本では、高額療養費制度などがありますが、アメリカの場合は、状況によって、かなり高額を払わないといけないかもしれない、ということは頭の片隅においておいた方がいいかもしれません。

手術の数日前~当日

手術日が設定されて、保険の確認等の事前準備がおわると、
数日前から前日までのところで、病院側から連絡があり、
当日の説明、確認の作業があります。
当日の流れや、
食事制限、食事、水分補給は、手術の何時間前まではできる、
帰宅までの流れ等々。
子どもの場合は、不安も大きく、泣いたり、ぐずったりする場合も多いので、
おもちゃ等の持ち込みや、付き添い者の人数等々、気になることをこのタイミングで聞きましょう。
そうすることで、当日持ち込めるもの、持ち込めないものがはっきりして、荷物の整理がしやすくなります。

手術の当日

手術の当日は、時間に余裕を持って行動しましょう。
コロナの影響もあり、病院についてから時間がかかる場合もあります。
特に、朝の通勤時間帯に、時間が設定されている場合は、さらに余裕を持って行動した方がいいかもしれません。
当日は、受付をし、書類のサインなどをし、手術を待つイメージになります。
わりとよくあるパターンとしては、事前にヒアリングをうけて、指示に従って準備したのに、受け付けで、できてません、と言われるパターンです。
例えば、手術の費用が高額なので、保険の確認と必要性を確認された、言われることはすべてやったけれど、受付で、まだ保険の確認ができてないから、ちょっと待ってください、と言われたりします。
こうした場合、原因は、患者側にあるというより、病院の内部、または、病院と保険会社の問題だったりします。ですので、受付のスタッフが慣れていて適切な処理をしてくれる場合が多いです。ですが、事前のデータがないので、時間がかかることもあります。念のため、事前にやりとりがわかる記録や、書類のコピーなどを用意しておくと役に立つこともあります。

手術後の流れ

手術が終わると、お医者さんの指示にしたがって、過ごします。
自宅でケアをして、問題があったら、診察してもらう。経過が順調であれば、しばらくしてから術後検診がある、といったイメージです。

【まとめ】流れを理解して、不安を減らしましょう

手術は、よくなるためのステップだと思います。とはいうものの、無事に終わるまで、不安で心配も多いと思います。
ですが、事前に流れを把握して、わからないことは聞いて確認する、という作業をすることで、少しでも不安を減らすこともできるかと思います。

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